アスリートインタビュー

北海道日本ハムファイターズ

植村祐介選手

4月19日の西武ライオンズ戦は、植村祐介投手にとって忘れられない1日となった。先発のウルフ選手が、左太もも裏に違和感を訴えて4回途中降板。緊急登板した。
「いつも通りゲームに入れた」
という右腕は、1人の走者も出さず2回をピシャリ。味方の逆転を呼び込む好救援。6年目でうれしいプロ初勝利をつかんだ。
「素直にホッとしました。長かったですが、ようやくプロ野球選手としての第一歩を踏み出せた気がします」
大阪府茨木市で生まれ、父とのキャッチボールがきっかけで野球を始めた。中学時代は地域のリトルシニアリーグなどには入らず、野球部で汗を流した。当時、野球は遊びでしかなかった。
母校・北照高校の恩師である河上敬也監督と出会い、野球人生に転機が訪れた。中学2年のとき、たまたま学校を訪れた河上監督の目にとまり、「うちの高校に来ないか」とラブコールを受けた。
「当時、僕は塾にも通っていて、中学で野球を辞めようとも考えていました」と明かす。
ところが、中学3年の最後の大会で初戦敗退。「もう少し野球がやりたい」と思い、すぐに北海道行きを決断した。
「真剣に野球に打ち込んだら、自分はどこまで成長できるのだろうかという期待感がありました」
高校時代は早稲田実業の斎藤佑樹選手、駒澤大学附属苫小牧の田中将大選手らととも脚光を浴びた。1年の春からベンチ入りし、河上監督から「お前はプロに行ける素質がある」と言われ続け、自信がついた。
現在チームメートとなった斎藤選手、吉川光夫選手ら同世代はみな仲がいい。
「佑樹の車で球場入りすることもありますが、車内で野球の話はあまりしませんね。話の中身は秘密です」と笑う。もちろん心の中には「負けたくない」という気持ちがあるという。
シーズンが開幕し、チームは順調なスタートを切った。リーグ優勝、日本一を目指して、勝利に貢献するピッチングを心がける。
「先発でも中継ぎでも、特にこだわりはありません。とにかく多くの試合で経験を積みたい。今シーズンは最低でも2桁試合の登板を目指します」とさらなる飛躍を誓った。
(竹内)

◎好きな食べ物は 「サーモンの寿司と北海道に来て言い方を覚えたザンギです」
◎気にしていることは 「最近、おなかが出てきました」
◎小さい頃、好きだった球団は 「大阪出身ですが、父の影響で巨人ファンでした」

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(うえむら・ゆうすけ)1988年7月5日、大阪府茨木市生まれ。O型。身長180センチ、体重86キロ。右投げ右打ち。北照高校卒業。06年高校生ドラフト3巡目で北海道日本ハムファイターズ入団。同世代の斎藤佑樹選手らとともに、今後のチームを牽引する存在として期待がかかる右腕。背番号46