アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】石川直樹選手

移籍早々ウィングバックに挑戦

砂川 久々に札幌へ帰ってきたけど、調子はどう?

石川 取りあえず、ウィングバックでの起用に戸惑いました(笑)

砂川 移籍交渉の時に起用法の話もあったでしょ?

石川 「オプションの1つ」でしたからね。基本は3バックのどこか。でも実際に来てみたら、右のウィングバックで固定されて。

砂川 チームとしては、直樹のどこでもできるという信頼感を期待して獲得したのだと思う。強化担当の三上さん(三上大勝GM)をはじめ、直樹のことを知っているコーチは多いから。

石川 30歳を過ぎて、新たな経験ができるのは幸せなことだと思います。

砂川 仙台では左サイドバックが多かったよね。

石川 それに比べると、攻撃時に前の人数が少ないから、自分で仕掛ける必要があります。

砂川 自分で打開しないといけない時はある。今のコンサはウィングバックの位置が低いから、ボールを運ぶというより、低い位置から駆け上がる回数のほうが多い。

石川 まず求められているのは守備なので、安定感を出そうとは思っています。それにプラスアルファして、攻撃もしていかないと。

砂川 すぐにアシストを決めたよね(9月9日・ジュビロ磐田戦)。あれは素晴らしい攻撃だった。

石川 あれはシンジさん(MF小野伸二選手)とチャナ(MFチャナティップ選手)が良かった。

-----ここから“延長戦”本誌未掲載-----

コンサを離れて6年半後の成長

砂川 直樹は一般的なディフェンダーのすべての平均点が高い。ヘディングも1対1も強くて、ビルドアップなど攻撃面もできる。そここそが特徴。

石川 今度から自分の特徴を聞かれたら、それでいこうと思います(笑)

砂川 一緒にプレーしていたころは、俺が左の中盤で直樹が左のサイドバック。あの時、本当にほしいタイミングでパスを出してくれるのは、直樹しかいなかった。攻撃的なセンスがあるし、左利きというのもいい。

石川 6年半くらい前のことです。

砂川 それだけ間が空いて、またオファーがもらえるのはいいよね。

石川 本当にありがたいことです。

砂川 あの当時と比べて、運動量が減ったり試合後疲れたりというのは感じる?

石川 当時よりはもちろん感じます。

砂川 俺は30歳から32、33歳くらいのころがサッカー観と頭の中で描くプレーが一番マッチしていた時期なんだよね。

石川 経験はたくさん積んできたので、置かれた状況ごとに考えられるようにはなりました。ただし、体だけを見ると慢性的に痛い部分は増えてきたかもしれない(笑)

砂川 俺も腰痛こそあったけど、ほかは割と大丈夫だった。大きな手術ってしたことあるの?

石川 そこまで大きなケガはないです。

砂川 でも体のケアは相変わらずしっかりやっているんだよね。

石川 準備運動からかなりやっています。

砂川 〝マメ男〟だもんね。

石川 練習前の準備と終わった後のケアだけですけどね。

砂川 30歳を過ぎると、やっぱりカウントダウンが始まるよ。

石川 徐々に。

砂川 まだ辞めるつもりはなくても、いつそういう状況になっても後悔しないでおこうという。

石川 自分は家族ができてからそう感じます。

砂川 まあ、直樹からそういう言葉は聴きたくなかったけど(笑)

石川 守りに入ったわけじゃないんです。

砂川 そんなこと考えるようになったんだ。俺はそこは一切考えてなかった。いつ結婚したの?

石川 5年前くらいかな。3歳になる子どもが1人います。

砂川 もう、フラフラできないな。

石川 確かに(笑)

(構成・清水)

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1985年9月13日、千葉県柏市生まれ。180センチ・74キロ。柏レイソルユースを経て04年にトップチーム昇格。08年7月、元柏監督で当時コンサドーレ札幌の石崎信弘監督の誘いでコンサへ期限付き移籍。主力として活躍する。11年にJ1でのプレー機会を求めてアルビレックス新潟へ移籍。13年からはベガルタ仙台でレギュラーポジションをつかんだが、今季は出場機会が少なく、7月末にコンサへ6年半ぶりの復帰を果たした