アスリートインタビュー

北海道コンサドーレ札幌

【砂川誠のコンサの深層】菅大輝選手

本職以外のポジションでも手応え

砂川 ユース所属の高校生だった昨シーズンから、トップチームの試合に出場。J1でのプレーは初めてだけど、手応えはある?

 シーズン前は、簡単にはいかないと予想していました。でも思った以上にできている感触はあります。

砂川 リーグ戦では7試合連続で先発出場(6月4日現在)しているね。もう自信はついたんじゃない?活躍もしているし。

 今はケガをした選手が多いので、その代役という気持ちのほうが強いです。

砂川 代役以上のことができていると思うけど、自信は出てきた?

 ケガ人が戻ってこられなくても問題ないと思ってもらえるくらい、信頼される選手を目指したいです。

砂川 本職はFWだけど、今は左サイドのウイングバックで起用されているね。

 守備の面で、FWよりも考えることは多いです。

砂川 FWは自分からアクションを起こせるけど、ウイングバックは相手次第のところがある。守備をおろそかにできないポジションだからね。本当はFWで使ってほしい、という気持ちはある?

 柏レイソル戦(5月31日・YBCルヴァンカップ第7節)はFWで出たので、点を決めてリーグ戦でのFW起用をアピールしたかったのですが……。ウイングバックとFWとの感覚の違いを感じました。

砂川 ウイングバックから急にFWやトップ下に入ると、間で受けるタイミングとか間合いがあまりにも違い過ぎて違和感が出る。菅くらい決定力やシュートの技術があったら、FWでプレーしたいだろうなと思って見ていたよ。

 ただ、まずは使ってもらえるポジションで試合に出られればいいと思っています。ウイングバックでの手応えも、徐々に感じ始めているので。

砂川 試合に出ることが、選手にとって一番いいのは間違いない。どのポジションもできることで、器用貧乏になってしまうのはダメで、そこが悩ましい。菅はやっぱり、自分のスペシャルな部分を維持しながら、さらにプラスアルファしていってほしい。ウイングバックでのプレーは運動量を要求されるから、そこのレベルは上がったのでは。

 試合に出ているぶん、確実に動けるようにはなっていると思いますね。

-----ここから“延長戦”本誌未掲載-----

 

 フリーキックの練習でクロスも向上する

砂川 高校は通っていたんだっけ。

 高校2年までは実家のある小樽市内の学校に通っていましたが、途中から通信制の高校に転校しました。学校が終わってから札幌まで来て練習していて。2年の途中からは平日だけ寮に泊まって、3年からはずっと寮生活でした。

砂川 高3からプロ生活しているようなものだ。今後はどうなりたいの?たとえば最近20歳以下のワールドカップで、FC東京ユースの久保建英選手が随分注目されていたけど。

 彼は3歳下で、同じ左利きの攻撃的なポジション。代表も下のカテゴリーから飛び級で入っているので、多少は意識するというか……。

砂川 ライバルと思う?

 飛び級で入ってくるのはすごいと思います。J3リーグのFC東京U-23で試合に出てゴールを決めていますし。

砂川 でも負けてはいないでしょ。

 負けてはいないと思います。

砂川 公式戦でゴールはまだだっけ。

 まだです。

砂川 ウィングバックだと、なかなかゴールを量産するのは難しい。でもチャンスは結構あると思うけど。

 そこでなかなか決められなくて……。

砂川 自分がチームのJ1残留のためにできることは。

 いまのポジションでこれからも使ってもらえるなら、クロスの練習をしていけば、もっとチームの得点も増えると思っています。

砂川 フリーキックの練習はする?

 あまりしないです。

砂川 フク(DF福森晃斗選手)と一緒にフリーキックの練習をしたほうがいいよ。

 イケさん(赤池保幸GKコーチ)にも最近同じことを言われました。

砂川 フリーキックの練習をすると、クロスボールが上手くなる。ボールを上げるのが上手くなるし、コーナーキックにも生かせる。キックは蹴っただけ上手になるよ。ただし、あんまりやり過ぎるとグロインペイン症候群になっちゃう。フリーキックを蹴られるなら、武器になると思う。最初はほかの選手に“いじられる”かもしれないけど(笑)。

(構成・清水)

……本誌財界さっぽろ2017年7月号(6月15日発売)にはここに未掲載の内容も満載ですので、ぜひお買い求めください。


→Webでの購入はコチラ
→デジタル版の購入はコチラ

1998年9月10日、小樽市生まれ。171センチ・69キロ。3歳でサッカーを始め、小学4年生からコンサドーレ札幌ユース・U-12に加入。その後U-15、U-18とユースの中心選手として活躍し、高校3年生だった16年にはトップチームにも登録を果たす。J2リーグ戦と天皇杯の計7試合に出場。年代別の日本代表にも選ばれ続けている。今季から北海道コンサドーレ札幌のトップチームに昇格。背番号38、FW