特集・業界別“宿命のライバル”をデータで解剖
道内コンビニエンスストアにおけるセブン-イレブンとセコマ、エネルギーにおける北海道電力 と北ガス、JA(農協)における十勝とオホーツク……というように、各業界ではトップと2番手以降による熾烈な競争が日夜繰り広げられている。
むしろ、競争のない業界では発展のスピードは遅いもの。本特集では、1円、1キロ、1皿単位で生き馬の目を抜くような戦いを続ける9つの業界の現状を、図表を使いながらピックアップした。普段は取材を断らないような企業でも、自社の本業、それも直接戦っている最前線の話だけに取材拒否が多発。そのくらいセンシティブな内情にも踏み込み、道内各業界の深層に迫った。
函館市長選 現職・工藤寿樹は不満顔 大泉洋・兄(大泉潤前保健福祉部長)“前のめり出馬宣言”の波紋
北海道の芸能事務所クリエイティブオフィスキュー所属タレントで、今年は大河ドラマ「 #鎌倉殿の13人 」でも話題となった人気俳優・大泉洋。その兄である大泉潤氏は大学卒業後、函館市役所へ入職。観光部長や保健福祉部長など重職を歴任してきた。
本人曰く「弟の七光り」というが、抜群の地名度を持つ市幹部として、兼ねて来年の函館市長選挙で名前が挙がってきたが、この7月末に突如として辞職。マスコミの囲み取材で「市長選出馬のため」と答えたことから、現職・工藤寿樹氏は記者会見で不満を口にするなど、地元政界に波紋が広がっている。工藤氏の腹心だった経緯もあり、なぜこの次期に市長選へ動いたのか。潤氏の行動が「前のめり」に映る関係者の声など地元事情を探った。
道内輸送問題解決の特効薬? なぜ「第2青函トンネル」は必要か
働き方改革関連法成立後、猶予期間を経て再来年の2024年4月から、トラック運転手の労働時間に上限規制が敷かれることに端を発する「2024年問題」。物流クライシスとも呼ばれるこの問題に対し、政府・国土交通省は鉄道貨物への「モーダルシフト」を進めるべく、検討会を立ち上げるなど急ピッチで環境整備に動いている。
検討会では日本の鉄道物流を一手に担うJR貨物は災害に弱い、運送ロットの取り回しが悪いといった欠点をどう解消するか、といった全国共通の課題が噴出。その一方、北海道では農産物の繁閑差による片荷問題、青函トンネルの新幹線との共用走行、新幹線札幌延伸後の並行在来線存廃、さらにはJR北海道との維持費負担の不公平性やJR北の経営不振による維持困難路線など、道内特有の課題がコロナ禍で表面化。現状のスキームでは早晩行き詰まることから、政府では貨物新幹線の開発と導入、経済界からは「第2青函トンネル」建設の機運が高まっている。道内鉄道貨物の課題を根本から整理した。
3セク時代にツイッターで市政批判 札幌市長選出馬・高野馨、役所内の“ビミョ~”な評判
2030年札幌オリンピック・パラリンピックの招致に向けて昨年来多大な公費を掛けて機運醸成に努めてきた札幌市。だが住民意向調査は賛成がわずかに上回る程度で、今年末とされる開催地決定に向けて余談を許さない状態だ。
その中で「五輪招致反対」を表明、来年4月の札幌市長選に出馬し選挙の結果を持って五輪招致の賛否に替える、と主張するのが、市の市民文化局長を務めた高野馨氏だ。財政畑を歩み、幹部会議でも積極的に発言してきた、という政策通の高野氏だが、現役やOBはあまり評価をしていないという。現市長の秋元克広氏と同じ南区長も務めた高野氏の微妙な評判の中身とは。
北広島大曲の印刷工場が操業停止 岐路に立つ朝日新聞、日刊スポーツグループ
北海道支社の設立から60年あまりが経つ朝日新聞。同グループの日刊スポーツも、道内最古のスポーツ紙として時を刻んできた。その両紙が来年をメドに自社印刷工場の操業を停止。道新総合印刷に印刷を全面委託するという情報をキャッチした。本誌の取材に関係各社の回答は……。