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パイプライン

ライニング材の脱泡処理、厚み調整の工程を経て、配管に反転挿入する

FRPライニング施工で道内唯一。騒音、工期を削減

 劣化した配水管の取り換え工事では、工期の長さや騒音が悩みの種だ。給排水管更生には配管設備の「パイプライン」が手掛ける「FRPライニング工法」をおおすすめする。

 FRP(繊維強化プラスチック)とは、繊維と樹脂を組み合わせたプラスチック素材で、高い成形性と繊維強度が特長。同工法は、さびついた管内部をクリーニングしたあと、FRPをパイプ内に張り付けて樹脂パイプを成形することで、既存の配管を取り換えることなくさびや穴あきを解消できる。日本下水道新技術機構の技術審査証明も取得している。

 通常3カ月程度の工期を1・5カ月程度に短縮できるうえ、騒音が少ないのが特長。施工費用は取り替え工事の7~8割程度で収まる。取り換え工事では全部屋の壁開け工事が必要となるが、同工法では最上階と最下階のみ(施工条件による)。廃材が発生せず、環境にも優しい。

「施工前に同工法が適用するかを調査し、適切な修繕方法を提案しています。一昔前の従来工法は施工不良などによるトラブルもあり悪いイメージが先行していましたが、近年は施工時や施工後にカメラで配管内部を詳細に確認するなど技術が飛躍的に進歩。FRPの強度も向上しており、信頼性は高い」と中田英一社長。

 工事には最大で20年の修理保証も付くなど、住民の安心感もメリットだ。

 すでに道外では1000戸規模の大型マンションやオフィス、公共施設、ホテルなどでも数多く導入されているが、道内での本格的な普及はこれからだ。

 同社は、20年以上にわたり道内外で配管工事を手掛けてきた。道内で唯一、FRPライニング工法を施工する高い技術はこうした長年のノウハウが基盤となっている。道内での普及に尽力する同社は、2月5日に発売された配水管工事専門の全国誌でもその業績が取り上げられている。

 中田社長は「道内でも少しずつ知っていただき、管理組合様からのお問い合わせも増えています」と話す。

 昨年は地方自治体の町営住宅や札幌市内の企業の社屋などで施工。現在も分譲マンションや町営住宅などで計画が進んでいる。

 また、特殊な工法で施工には高い技術を要するため、本州の現場で実践的な研修を受けるなど、社員の技術向上にも努めている。

 中田社長は「いずれは社内に3~4班の専門チームを立ちあげたい。従業員も随時募集しています」と話す。

 

屋上の雨水を排水するルーフドレン管も施工可能
作業工程。樹脂で穴あきを解消する
中田英一社長