ほっかいどうデータベース

北海道池田町 十勝ワイン

「ワイン城」内のショップエリア。試飲もできる

ワイン城が50周年。独自品種で世界へ挑戦

 1963年に国内初の町営ワイナリーとして創業。農業や地域の振興に貢献してきた。

 自生するヤマブドウに注目し、栽培方法や品種の改良で寒さに耐え得る独自品種を開発。一押しのワイン「山幸」はヤマブドウらしい野趣溢れる香りと酸味でジビエにも和食にも合う。2020年には国際ブドウ・ワイン機構から国内3例目、道内初の国際品種として登録された。

 今年落成50周年を迎えた製造拠点の「ワイン城」では製造工程を見学でき、20年の大規模改修でショップや試飲ブースをさらに充実させた。

 また、74年に前庭広場で行ったワインの完成祝賀会が、現在も続く町の一大イベント「秋のワイン祭り」へと発展するなど、池田町との結びつきも強い。地域から愛され、町民成人一人あたりのワインの消費量は国内平均の4~5倍にあたる約11㍑と高い。

 地域貢献も続ける。これまでにワイン事業の収益20億円以上を町づくりに還元してきたほか、町内の中学校では授業の一環でブドウを収穫、20歳を迎えた後に作ったワインを贈呈している。

 

製造課長
東 億(あずま はかる)氏

良いブドウを育てなければ美味しいワインはできません。気候にあった植栽品種の選択も重要です。当社では世界的に売れている品種ではなく、池田町の環境に合ったブドウを創り出しています。今後も品種改良を継続し、創り出した独自品種のワインが世界中で認めてもらえるよう歩みを進めます。

一押しのワイン「山幸」
町内各地で独自品種の試験栽培も行う