財界さっぽろ 2023年9月号のさわり

財界さっぽろ 2023年9月号

不動テトラ(東京都)宮坂建設工業(帯広市)橋本川島(旭川市)に“おとがめなし” 道新幹線トンネル工事

 工期の遅れを指摘されていることもあり、急ピッチで工事が進められている北海道新幹線の札幌延伸工事では、事故や不祥事がこのところ散見されている。昨年12月には後志管内の朝里トンネル工区で死亡事故が発生。さらに今年4月、同じ羊蹄トンネル有島工区ではコンクリート試験の虚偽報告が発覚した。

北海道新幹線「H5系はやぶさ」と指名停止措置の通知 ©財界さっぽろ

 コンクリの強度に問題はなかったものの、試験担当者の人手が足りなかったのが原因という調査結果が出たこともあり、発注元の鉄道建設・運輸施設整備支援機構は担当業者を指名停止に。だがこの工区を受注した特定共同企業体(ジョイント・ベンチャー、JV)のうち、指名停止となったのが代表企業の熊谷組のみだったことが、業界の話題をさらっている。機構は適正な処分とするが、背景を調べると、JV構成企業の1社と機構の役員、とある国会議員には接点があり……。

特集・不夜城「ラピダス」ここだけの話

 2年後の2025年に試作ラインを稼働させる――国費3300億円を投じて世界に先んじる2ナノメートルプロセスの半導体を製造する、よく言えば野心的、悪く言うと無謀な戦いに挑むラピダス。工業用水の問題に始まり、最大6000人という工場建設の人員、日本はおろか世界から募る必要がある半導体技術者の手配など、どこをとっても課題ばかりだ。

ラピダス社長の小池淳義氏 ©財界さっぽろ

 本特集では基本的な「ラピダスって何?」「先端半導体って何?」といった事柄から、本誌編集部が耳にしたラピダスにまつわるいい話・悪い話・不安な話を一挙に掲載。ものすごいスピード感で物事が決まっていく中、道や地元経済界とのかかわりは。

パワハラ、横領、大量退職…醜聞続出!JA新はこだて“大合併の歪み”

JA新はこだて本所 ©財界さっぽろ

 渡島半島一円を区域とする「JA新はこだて」は、2002年に13のJAが合併して誕生したものの、合併のメリットである経営のスリム化や機構再編が進まず、この20年の間に正組合員は大きく減少。その中で起きているのが、幹部職員による部下へのパワハラと退職騒動。本誌に届いた情報提供だけでも数知れず、さらには横領や大量退職などの実態も。JAグループ報道で独走する本誌が切り込んだその内実とは。

逢坂誠二に厳しい追及なし 実況中継、立憲道連大会“ぐだぐだ150分”

 昨年の参院選北海道選挙区や知事選を始めとする統一地方選の結果、つまり敗北の結果から立憲民主党道連代表を退任すると思われていた逢坂誠二氏。実際、国会議員間の会合で一度は辞意を示した逢坂氏だが「ほかにいない」という消極的な理由もあって慰留され、続投が既定路線となった。

逢坂誠二氏 ©財界さっぽろ

 大方の予想に反しての続投だけに、7月30日の立憲道連大会では道内各地区の“うるさ方”から反発する質疑が連発するかと思われたが、意外にもそうした声は少なく……いたずらに時間だけが過ぎた“ぐだぐだ”な2時間半を実況中継で再現。

ボールパークの日本エスコンが“粘り勝ち” ススキノ・キングムーは買収・解体で決着

 今年5月末の「FINAL PARTY」を持って閉館した、ススキノのダンスクラブ「キングムー」。30年にわたりススキノを代表する建築物としてランドマークとなっていた建物だが、本誌2023年7月号で報じた通り、買収・解体の話が持ち上がっていた。

 
キングムーの外観 ©財界さっぽろ

 買収を検討していたのは中部電力傘下の不動産デベロッパー・日本エスコン。ファイターズ新球場のネーミングライツ取得で道民にも認知度を高め、このところ道内で攻勢をかけている。当初は売却の意思がなかったキングムーのオーナーサイドだが、それが一転した理由や周辺事情を詳報する。