新幹線トンネルが基礎に近すぎる!マンション住民が悶える“地下4メートルの不安”

「ご自分の家族が住んでいると思って考えてほしい」「説明を聞いていると『もう決まってから』という姿勢を感じる」
札幌市中央区にある桑園まちづくりセンターの一室。大きな声が廊下まで響く。12月25日午前、鉄道建設・運輸施設整備機構(以下、機構)はある分譲マンションの住民を対象に、新幹線トンネル工事に関する説明会を開いていた。
この日はクリスマス。隣の部屋からは子どもたちの明るい声が漏れていたが、住民の発言は時に怒気を帯びていた。予定の2時間を超えた説明会では、住民側から「訴訟」の2文字も飛び出していた。
住民の住む分譲マンション2棟はJR桑園駅の近くに建つ。現在の新幹線トンネル工事の計画では、直径約11・8メートルのトンネルの端がマンションの敷地にかかる。2棟の内1棟のマンションの基礎とトンネルとは最短で4・3メートルしか離れていない。
20年夏、トンネルの具体的な距離を始めて知らされた住民の間に驚きと不安が走った。機構は何度かマンション側に説明を実施。さまざまな方策を講じて安全性を確保する考えだが、住民の不安は払しょくできていない。
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