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札幌第一高等学校

進学校として、また部活動の活発な高校として知名度は高い

国公立大に189人が合格。難関私立大は過去最高

屈指の進学校でありながら、スポーツ・文化系の名門校としても実績を築く札幌第一高等学校。「目は高く 足は大地に」を校訓に、文武両道を実践している。

2022年度の進学実績の一端を上げると、今春も国公立大学の合格者は189人。100人を超えるのは18年連続となった。

内訳は、北海道大学に32人。東北大学3人、大阪大学、一橋大学、名古屋大学に各1人などで、札幌医科大学3人、旭川医科大学3人、名古屋市立大医学科1人などと合わせ、難関国立10大学および国公立大学医学部医学科に45人が合格している。一方、難関私立大学には早稲田大学・慶応義塾大学に合わせて13人など、過去最高の131人が合格し昨年度から倍増。大幅に躍進した。

22年度の卒業生は高校生活の大半でコロナ禍の影響を受けたが、好調な進学実績を残したのは、同校の取り組みが奏功したからに他ならない。その代表が、学力向上につながる「学習コンパス」、答えのない課題を見つけ、自分たちの考えをオールイングリッシュで発表する「探究コンパス」、人生設計を自ら描けるように支援する「進路コンパス」という3つの取り組みだ。

八木和彦校長は「本校は創立者の〝札幌で一番の学校を創る〟との思いが校名に込められています。学習だけではなく、部活動や行事を通じて知・情・意・体の調和のとれた人間を目指し、社会がどのように変化しても日本や世界でリーダーシップを発揮し活躍できる人材を育成するというのが教育理念です」と語る。

その一例がオンラインを用いた先進的なOST(オンライン・スピーキング・トレーニング)で、海外講師による1対1の授業や、国内外への研修を実施。日常会話ができる英語力を3年間で身につけていく。

また、6年前に導入したのが、難関大学進学を目標とした学力向上のための「HUPプログラム」。2次試験に向けた記述力向上のため日常的に添削指導を実施するほか、合宿や研究施設の見学ツアーなどの勉強会で、より実践的な学力を磨いている。ICT機器もフル活用する。例えばコロナ下での休校期間は生徒全員に提供したタブレットPCで、朝と帰りのSHRをウェブ上で行い、1日5コマ・週27コマの授業動画を配信。現在も授業動画の配信を継続し、学力向上につなげている。

さらに、昨年度からは兄弟校である進学校、北嶺高等学校の講座に参加する「北嶺コース」を開設。北嶺ならではのデータ活用や成績比較で学力を強化する。一定以上の学力があれば参加でき、今年度も70人の希望者がさらなる学力向上を目指している。 

同校は、硬式野球部の甲子園出場などスポーツ系部活動が注目されるが、近年は文化系クラブも大活躍。昨年度もスキー、陸上、剣道、空手道、水泳、カヌーのほか、弁論でも全国大会に出場。文武両道を実践し、その名を全国に轟かせている。

八木和彦校長