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北7条ごうだ整形外科

合田 猛俊 理事長
ごうだ・たけとし/1993年岩手医科大学医学部卒業。同年4月に北海道大学病院整形外科入局。北海道がんセンター、長沼整形外科勤務を経て2016年にごうだ整形外科開院。日本整形外科学会認定整形外科専門医。

幹細胞上清液とマイクログラフトによる毛髪再生医療を開始

「北7条ごうだ整形外科」は一般的な治療はもとより、再生医療であるPRP療法を道内でいち早く実施。さらに今年1月には、これまでの知見を生かした自費治療「毛髪再生医療」を開始した。

 同院の毛髪再生医療は、ヨーロッパで一般的に普及している「Micrograft(マイクログラフト)」という治療法を採用。これに幹細胞上清液(かんさいぼうじょうせいえき)を組み合わせる治療法だ。マイクログラフトは耳の裏に直径2~3㍉㍍の穴を4カ所空け、皮下組織を採取して細かく分割。これに幹細胞上清液を加え、専用の機械でメソガンと呼ばれる極細針が備わった注入器で脱毛部分に注入する術式。道内では他に先駆けての導入となった。

 幹細胞とは、さまざまな種類の細胞を形成する能力を持つ細胞で、自身の幹細胞を培養し投与する培養幹細胞治療は膝関節や臓器、血管、皮膚など多分野で取り入れられている。近年は、この幹細胞を培養する際の上澄み液である幹細胞上清液の再生機能が注目され、毛髪再生医療の臨床治験では、マイクログラフト治療法と幹細胞上清液を組み合わせることで、さらなる発毛効果が実証されている。

 処置は局所麻酔下で、1時間程。費用は保険適用外で60万円前後となっている。患者により効果は異なるが、約1カ月で施術部分の毛髪が増えてくるという。来院は手術時の1回のみ。術後数日間は、抗生剤を服用するが、このほかの投薬治療の必要がないことも特徴。さらに、自家組織を使用するため、性別問わず治療ができ、性機能や体毛への影響もない。

 初診は基本的にオンラインでの診療で、頭部の画像を見ながら問診する。

「患者様からは処置時の痛みは我慢できる程度だったとお声をいただいています。傷痕が目立ちにくい点も喜んでもらえています。すでに多くの反響があり、予約が埋まってきている状況です。詳しくは当院HP内のブログをご参照ください」 

メソガン(上)で幹細胞を脱毛部分に注入
明るい雰囲気の待合室