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味もさることながら、〝温かくておいしい〟と好評

高齢者施設の人材難に寄与する配食サービスを提供

「人手が足りず食事の提供が困難」と悩む高齢者施設や医療機関が増加の一途をたどっている。特に地方は顕著で、調理・配膳スタッフが1人でも離職すれば、たちまち食事の提供がままならなくなるというケースも多く、内製化を見直す施設が増えている。

 こうした状況下で注目されているのが、「Co(コウ)」が提供する配食サービス「快傑!モリッケ」だ。真空パック包装された調理済みの料理を食器に先に盛り付け、「リヒートウォーマーキャビネット」と呼ばれる専用の冷却・加熱装置(ニチワ電機製)にセットするのみ。調理はもちろん、湯煎も不用のため、スタッフに調理経験は不要で、40~50人分程度であれば1人でも1時間ほどで提供できる。

 石井則好社長は「食器ごと温められるので、盛り付けている間に料理が冷めることもなく、少人数でも温かい料理を提供できます。既存スタッフの負担が軽減され、離職の防止にもつながったとお客様から喜ばれています」と話す。

 顧客は高齢者施設をはじめ、自衛隊の分屯地などさまざま。現在は滝川と仙台の自社工場で生産し、道内全域と仙台市内に届けている。

 栄養バランスに富んだ献立は、管理栄養学に精通した北海道文教大学の松本洋子準教授が監修しており、朝昼晩3食で864円(税込み)。人件費や求人広告、煮炊きに伴う光熱費を加味すればコスト削減につながるケースも多い。

 小ロットの注文にも対応するほか、例えば調理、配膳スタッフが確保しにくい朝食のみの注文などにも応じる。冷却・加熱装置の導入も任意で、湯煎で対応する施設もあるという。

 一方、札幌をはじめとする道央エリアの供給拠点として、6月には札幌市内にセントラルキッチンを開設予定。これに伴い滝川工場は道北エリアの生産拠点として新たな役割を担う。

「配送コストを抑えるには、生産拠点の拡充が必要であり、道東、道南エリアをはじめ、道内の過疎地への提供を見据えた新拠点の開設も検討しています。食というライフラインに携わっていることに誇りと責任を持ち、商圏の大小に関わらず、人手不足に悩む施設を陰から支えていきたい」と石井社長。緊急時には施設に自ら駆けつける機動力も顧客から評価されている。 

調理した料理を真空パックで配送する
食器に盛り付けて冷却・加熱装置にセットするのみ
石井則好社長
サービスを解説する「マンガでわかる厨房革命」も用意している