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産官学連携の新研究拠点「エア・ウォーターの森」が開業

吹き抜けの開放的空間で1階のレストランやホールは一般開放されている

産官学が連携するオープンイノベーション拠点「エア・ウォーターの森」が、12月6日にJR桑園駅近くに開業した。エネルギーや健康関連の新たな事業創出を目指す。

 同施設は、産業ガス大手エア・ウォーター(大阪)の傘下で、北海道の事業推進を統括する「エア・ウォーター北海道」(本社・札幌市)が、総工費約50億円を投じて札幌市中央区北8条西13丁目に建設した。

 道内の大学や研究機関、自治体、企業・スタートアップなど産官学で共同研究や技術支援を行い、同社が成長分野として位置付ける「エネルギー・環境」や「農業・食」分野を中心に新事業の創出に取り組む。

 建物は地上4階建てで、道産カラマツを100%使用した耐火集成材を構造体に採用。施設内は吹き抜けで利用者が交流できる開放的な空間で、1階は同社グループが生産する食材を使ったレストランなどを一般にも開放。150人収容可能なホールも設けた。2階は大学や企業などが入居する個室エリア、3階は会議室やセミナールームなどのコワーキングスペースとなっている。今春には屋上に庭園を設け、地域の憩いの場として開放予定だ。

 豊田喜久夫エア・ウォーター会長は「食糧危機や気候変動などの地政学的な問題がある中で、これらの課題を解決できる場所として最も可能性があるのは北海道。ラピダスの進出などもあり、日本で一番成長する地域。産官学民が集結し、新事業が生まれる場所にしたい」と話す。