北海道車輛運送
地力を上げて売上増。事業領域の拡大も目指す
道外から陸揚げされた自動車や大型トラック、特殊車両の陸送をはじめ、紙や農産物などを輸送するシャーシ輸送も幅広く手掛ける。道内の自動車産業や道民の暮らしを支える影の立役者といえる。
21年から陣頭指揮を執るのが小泉直哉社長。「就任から2年間、車両数やドライバー個々の能力、輸送距離などの分析を行い、当社の地力を明確にした。24年はそれを伸ばすためにさまざまな策を講じた年であった」と振り返る。
その1つが、売上目標の達成に向けた施策だ。設定した目標額から逆算し、車両1台当たりの輸送量や輸送時間といったKPI(重要業績評価指標)を設定。それを月次・週次・日次に落とし込んだ。
「全社員に向けて必達数字や輸送量などを明確にしたことで、どう行動するかという意識が芽生えた。単に物を運んで終わりではなく、全員が経営的な視点を持つことに努めました」と小泉社長。
また、エネルギー高や人件費高騰の対策として〝利益率の改善を喫緊の課題〟と捉えている。その1つとして、整備部門の強化を目的としたM&Aを構想中だ。
「特にキャリアカーを専門とする整備会社は道内では少なく、業界全体が納期やコスト面で苦慮している。当社が持つ自社整備工場の能力拡充の意味においても、受け入れ体制を強化したい。勝機はある」と小泉社長。
25年はドライバーの負担軽減を目的とした輸送路線の集約化に向けた仕組み作り、農機具や重機といった新たな運送領域の拡大にも注力する。