鈴木商会
資源の選別精度を強化。新たな雇用創出も実現
〝廃棄物の地産地消〟に努め、持続可能な社会を目指す資源リサイクルの道内大手。
24年は拠点拡大と設備投資を推進。4月には、ミックスメタル(さまざまな金属類が混在した廃棄物)の選別・リサイクルの内製化を図り「手稲事業所」を開設した。
駒谷僚社長は「ミックスメタルは、これまで道外への出荷がメインでした。当社はあらゆる資源の地産地消を目指す観点から、自社の原料として活用するため、この分野に踏み込んだ」と経緯を語る。
一方、選別には人員の確保が必要なことから、就労継続支援施設を運営する札幌市内の企業に作業を委託。将来的には自社社員としての雇用も目指している。
設備投資では「石狩事業所」に廃プラスチック専用の最新処理設備を導入。従来よりも作業時の安全性と選別精度の向上を両立させた。
また、回収したアルミニウムの再生過程で出る残渣から、半導体製造に用いられる高純度の水素を生成する実証実験を開始するなど、事業化に向けた新たな取り組みにも着手。カーボンニュートラルの実現に向け、研究を進める計画だ。
DX化も強化しており、AI搭載ゴーグルを開発。目視で行う廃棄物の選別時に、原料として不適切な禁忌品をAIが自動で検知し事故を防ぐもので、今後の実用化に向けて改良を重ねている。
「再資源化できる原料を増やして、循環型社会の実現を目指す。25年も一歩ずつ進めていきます」と駒谷社長。