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TRUST KREW

ロープを操作して作業にあたる

高所作業を支える「ロープアクセス」で独自性を確立

 ビルやマンションなどの高所作業に特化した補修、修繕、塗装、清掃を主事業とする「TRUST KREW(トラストクルー)」。一般的に高所作業は、足場を組むかゴンドラを使った作業となるが同社では「ロープアクセス」を用いているのが特徴だ。

 ロープアクセスとは、建物の屋上などにロープをつなぎ、作業員が壁面を降下して作業を行うこと。高層ビルや物理的に足場設置が困難な狭小地での作業に有効とされている。

「足場を設置しないので工期短縮が図れるほか、眺望や景観を損なわないといった利点があります」と國見光平社長は語る。

 装備は、建物に固定した2本のメインロープとバックアップロープを作業員の胸に装着した専用器具に連結。上昇や下降、横方向への移動など、ロープの操作を駆使して作業にあたる。

 施工実績は、札幌市内の高層ビルの外壁補修や大手ホテルのガラス交換をはじめ、道外での施工もこなすなど多岐にわたっている。

 もちろん、作業員の安全確保においても万全を期し、厳格な安全基準が定められた国際規格を遵守している。

「ロープ1本の強度は約2000㌔㌘前後ですが、リスクを想定し作業時は10分の1の荷重に収まるようにしています」と國見社長。

 同社では作業前に現場の特性や作業内容を踏まえ、安全計画を立案し施主に説明するほか、トラブルが発生した際も迅速に対応できるように、作業は最低2人以上で行うことを徹底している。

 本社に隣接する訓練スペースでは、毎月協力会社を招いて講習会を開催。基本的な動作や非常時のレスキュー訓練、体力づくりを実践するなど、技術研さんに注力している。

「ロープアクセスの技術は奥が深く、経験を積むほどのめり込む人が多いのも特徴です」と國見社長は語る。

 一方、人材採用も独自性が光る。訓練スペースは、スケートボードの練習場としても一般開放し若手と建設業をつなげるマッチングを進めている。

「練習をきっかけに、当社に興味を持ち入社した若手もいます。道内のロープアクセスの認知度は、本州と比較してまだまだ低い。我々の仕事の社会的意義と魅力の発信強化に努めていきます」と國見社長。

訓練スペースではさまざまな練習を実施
國見光平社長