公清企業
新リサイクル技術を積極採用。自治体の課題解決を目指す
「札幌清掃企業組合」が前身。現在は道路清掃、破砕工場管理、上下水道の汚泥運搬、産業廃棄物の収集運搬、リサイクルなど、環境衛生にかかわる事業で市民の生活を守っている。
近年はリサイクル事業を加速しており、現在石狩市で使用済み紙おむつのリサイクル工場建設を計画中だ。
福田年勝社長は「介護施設や病院などから廃棄される紙おむつは高齢化で今後も廃棄量増加が予想されます。これまで含水率が高く処理が困難でしたが、近年再資源化技術が向上し、リサイクルへの期待が高まっています。破砕、洗浄後に素材を分離し、紙は再生紙に、プラスチックは固形燃料や再生プラ製品などに再資源化できます。従来の焼却処分によるCO2排出量の削減にもつながります」と語る。
当面は計画する新工場で石狩エリアをカバー、将来的に札幌市への導入も目指す。
また、石こうボードのリサイクルも推進する。有害物質を含むため再資源化が難しいとされてきたが、旺盛な都市再開発で建物の解体による廃棄量が増加。埋め立て地のひっ迫を受けて技術開発が進み、近年リサイクルが可能となった。
同社では、2019年に道内唯一、東北以北最大規模の石こうボードリサイクル工場「第2エコパーク」を稼働。粉砕して石こう紛と剥離紙などに分離した後、セメント原料や土壌改良材、製紙原料として再生している。
福田社長は「今後も廃棄量は増加する予想です。需要増を受け、他の原材料だけでなく新たな石こうボードへと再資源化する新工場の立ちあげも計画しています。埋め立てによる環境負荷の低減に加え、道内で再利用することで運搬によるCO2排出量も削減できます」と話す。
さらに、焼却処分されている容器包装プラスチックや製品プラスチック、下水道汚泥などのリサイクルも、技術を有する専門業者と協力し準備が進められている。
「紙おむつや石こうボードのリサイクル技術が確立されたように、リサイクル可能な廃棄物はまだまだ多い。民活民営が進む中、国や自治体が抱える環境課題を我々民間の技術で解決していきたい。環境衛生に長年携わってきた基盤を生かし、循環型社会の実現に貢献していきます」と福田社長。