イザナ ホールディングス
「ナミキ」を中核に技術を磨き、多角化を推進
2021年創業の「イザナ」は6社のホールディングカンパニー。M&Aや事業承継で業容を拡大しており、板金、鉄骨、福祉など多角的に事業を展開している。
中核の「ナミキ」は板金のほか、防水や塗装、左官工事を手掛ける。一般住宅や工場、倉庫、近年では「エスコンフィールドHOKKAIDO」にも携わった。規模を問わず、幅広いニーズに対応している。
片野裕勝専務は「板金は美観が命です。最後までお客さまの目線に立ってミリ単位までこだわります。〝ナミキに頼んで良かった〟と言ってもらえるように日々、技術力と組織力の向上に励んでいます」と話す。
また、鉄骨工事を担う「シンユー」は昨年から新規事業となるコンテナハウスの製造・設計に乗り出した。
道内では、コンテナハウスを住宅やサウナ、カフェとして用いるケースが多い。輸入品が多く使われているが、輸送費などのコスト面、日本の厳しい建築基準法をクリアできないなど課題も山積していた。
同社は、板金や塗装工事などグループ会社が持つ技術力を掛け合わせ、コンテナの自社製造を可能にした。鋼接合を用いた強度のある「S‐フレーム」という特許も取得しており、2階建ての製作も可能だ。ゼロからコンテナ製作を行う企業は国内でも少ない。オーダーメードやカスタマイズにも対応できる。
福祉事業の「タメニ」では、障がい者グループホームの運営や就労継続支援B型、計画相談支援を行っている。
佐々木美和専務は「障がい福祉は相談先が分かりづらいケースが多い。当社の強みは、生活支援や住まい、雇用先などの窓口を一つにしていることです。今後も障がい者の方たちの可能性を広げていきたい」と語る。
今秋には岩見沢市内に1968平方㍍の複合施設をオープンさせる予定で、障がい者の雇用先となるカフェや子供の遊技場などが入居する。有名コーヒー店とのコラボも予定されており注目が高まっている。
21年に「ホクシン断熱工業」、続く22年にも「高坂板金店」を事業承継するなど、今後もさらなる業容拡大を見据えている。
川原悟社長は「後継者問題や事業承継に悩む企業の受け皿となり、歴史や技術を途絶えさせることなく思いをくみ取って継承していく」と語る。