八木整形外科病院
やすだ・かずのり／1976年北海道大学医学部卒業。90年に文部省在外研究員として米国Vermont大学整形外科に。その後、北大医学部などで診療や指導に携わる。2017年に同院名誉院長に着任。
競技復帰でＱＯＬを向上。手術開発者としてメスを握る
安田和則名誉院長が専門とする膝の前十字靱帯損傷は、スポーツの場面で起こる代表的なけがの1つだ。
「受傷後は痛みと腫れが1～2週間程度続きますが、その後、日常歩行に支障はなくなるのが一般的です。しかし、靱帯は一度伸びると元には戻らず、競技を再開すると〝膝崩れ現象〟が起きるようになります」
競技復帰を目指す場合は、手術が適用となる。国内外の標準手術となっている「解剖学的2束前十字靱帯再建術」は、安田名誉院長が約20年前に開発したもの。
現在も自らメスを握り、数々のアスリートの競技復帰を支援している。知識や技術面についての不安要素は限りなくゼロに近い術者と言えるだろう。
「スポーツを断念することは、QOLの低下にもつながる。〝人生100年〟と言われる今、手術を希望する中高年も増えています」と安田名誉院長。
また、けがの直後であれば、残った靭帯を利用して靭帯を再建する先端手術が適用となるケースもあるため、早期に受診することが
重要だ。
