ほっかいどうデータベース

遠藤建築アトリエ

旭川市の「北海道立北の森づくり専門学院」

道産木材による〝サスティナブル建築〟を推進

「北海道は亜寒帯湿潤気候の最南端に属し、針葉樹と広葉樹が混在して生育する世界でも希少な環境」と話すのは、遠藤建築アトリエの遠藤謙一良社長。木材建築に力を入れる建築家だ。

世界で採用が進む木質系建材「CLT」の活用を推進し、2021年には設計を担った「北海道立北の森づくり専門学院」の新築工事にも採用した。「CLTは鉄やコンクリートに替わる建材として注目されており、強度は同等以上。道内に広く生育するトドマツやカラマツなど針葉樹を原材料にできます。面積の約7割が森林の北海道でこそ普及させる意義は大きい」と遠藤社長は語る。

ミズナラやタモ・サクラなどの道産広葉樹は、仕上げ材や家具として使用。植林と伐採を繰り返すサイクルが持続可能な社会につながると捉えている。

一方、エネルギー消費の抑制にも力を入れ、建物の省エネ性能も追求。断熱性や気密性だけでなく体感温度を重視し、熱気と冷気の性質を踏まえた換気システムを考案。効率的な空気対流までもデザインしている。自然環境に適した魅力的でサスティナブルな新しい建築の創造を目指している。

「洞爺湖 鶴雅リゾート 洸の謌」のデザインも手がけた
遠藤謙一良社長