三鷹吉祥
豊浦町にナマコの種苗生産試験棟が完成
東京の銀座を中心に不動産業などを営む「彌生グループ」傘下の「三鷹吉祥」は、建設中であったナマコの陸上種苗を行う施設「北海道海洋生物研究センター試験棟」が、6月18日に虻田郡豊浦町に完成した。
同センターは平屋約380平方㍍で、12槽の育成用の水槽を備える。ナマコの卵から約30㍉の稚ナマコにまで育て、漁協に販売されるほか、内浦湾などにも放流する。放流から約2年半で水揚げできるサイズまで成長するという。
初年度は年間120万尾の稚ナマコの供給を目指す。将来的には2030年までに、水槽を240槽にして供給量を増やす計画だ。
完成当日には竣工式が同センター敷地内で行われ、町役場や町議会、漁協、アイヌ民族協会の関係者ら約100人が出席。テープカットも行われ、出席者は事業の成功と地域振興に期待を寄せた。
同センターの理事長も務める羽澤学社長は「ナマコは海の生態系を守る存在です。海外の事例をみると、ナマコの乱獲により海域から姿を消すと魚の水揚げ量が減っていく傾向がある。ナマコを放流することで、海洋環境の改善に努めていきたい」と語った。