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藤女子中学校・高等学校

ジェンダーバイアスから解放された女子校でのびのびと過ごす

創立100周年。高校3カ年コースが来春スタート

 1925年に「札幌藤高等女学校」として開校し、48年から中高一貫校として歩んできた「藤女子中学校・高等学校」。

 伝統ある名門進学校として実績は抜群で、2023年度は104人の卒業生が新たな道に進んだ。24年度も京都大学をはじめ国公立大学に17人が合格。姉妹校の藤女子大学と天使大学など道内私立大学に106人、慶応、上智、明治など難関大学を含む道外私立大学に50人が合格した(既卒生を含む)。

 創立100周年を迎える来年は、新たに「高校3カ年コース」がスタートする。石川直美校長は「カトリックの精神を中学から3年間学んできた一貫生も、新たに高校から入学する生徒にとってもプラスの効果があるはずです。出会いが多いほど、豊かな人生を送れますから」と期待を込める。

〝受験対策〟のみに終始せず、人間教育に力を入れているのも同校の特徴だ。キリスト教の基軸である「自分の力を他者のために」という奉仕心を育んでいる。

「人を助ける、協力するといった場面で、見返りを求めないことは藤の生徒にとって〝至極普通〟のことです」と石川校長は胸を張る。こうしたマインドは進学先での新たな人間関係構築をはじめ、社会に出てからも同僚や上司、後輩、顧客からの信頼にもつながる大きな財産となるだろう。

 高校からの入学においても人間形成に与えるインパクトは大きい。シスターや教諭から学ぶだけなく、中学から慈愛の心を学んできた友人の言動・行動も大きな気づきとなり、改めて自分自身を見つめ直すきっかけとなるだろう。

 高校からの入学者に向けて石川校長は「100分の3。人生100年時代の中の、たった3年間ですがジェンダーバイアスから解放された女子校で過ごすことで、今後の人生において確かな道しるべを見つけられるはずです。ありのままの自分が他者から認められ、そして他者を認める。藤で新たなスタートを切りませんか」と熱く語る。

 授業は65分。対話や思考・実験・表現の時間を十分に取り入れ、生徒たちの可能性を引き出している。また、〝きっかけ〟づくりに力を入れる同校では、藤女子大学、上智大学、北海道大学との連携も図っている。藤女子大学とは学習指導など日常的に交流する機会があるほか、上智大学の特別講座をオンラインで受講することもできる。北海道大学では大学生とともに一部の講義を聴講可能だ。

「大学やアイルランドのカトリック女子校との交流、海外研修、ボランティア、部活……藤でのさまざまな体験を通じて、自分が何をしたいのかを見つけてもらいたい。目標が定まった子供は強いですから」と石川校長。

上智大学とカトリック連携協定を締結
石川直美校長
海外研修の1コマ。さまざまな体験が成長につながる