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松田整形外科記念病院

林 晴久 医長
はやし・はるひさ/2005年三重大学医学部卒業。北海道大学病院や八王子ひがし整形外科などを経て23年1月着任。日本整形外科学会専門医。

スポーツ障害を得意とし、術後の運動指導にも注力

118ページでも記載したが「松田整形外科記念病院」は、整形外科全般の治療を行う。スポーツ障害の手術やリハビリテーション治療に注力しているのも特徴だ。

同院のスポーツ整形部門の医長として1月に着任したのが林晴久医師。膝や足関節を中心としたスポーツ整形が専門で、関節の治療に特化していることで全国的にも有名な「八王子ひがし整形外科」(東京都八王子市)などで経験を積んできた。

林医長は「問診と触診、レントゲン撮影での検査が基本です。特に問診と触診は徹底的に行います。ここで判断を誤ると改善期間に大きな差が生まれる。それぞれの症状に適切な治療を心がけています」と語る。

足関節靭帯損傷や足関節痛の原因として多いインピンジメント症候群では、リハビリなどで改善しない場合、足関節鏡手術を採用。関節に2箇所の小切開を加え、内視鏡で損傷部位の治療を行う。

具体的には、切れた靭帯を正しい位置に縫合し関節を安定させたり、痛みの原因となる骨や余剰筋肉を切除する。

従来の膝関節鏡術も切開部が1㌢以下の低侵襲法として知られていたが、この術式の切開部は5ミリ以下とさらに小さく、正常組織も傷つけにくいのが特徴。患者の負担も軽く早期復帰も期待でき、アスリートなどの競技復帰を後押ししている。

「手術で治療が終わるのではなく、その後のリハビリも大切になる。術後は身体ケアや運動指導も行っています」(林医長)

膝関節の再建手術も得意とする分野の1つ。

重度のケースでない限り骨切り手術を選択。その名の通り関節近くの骨を切り、関節の向きを矯正する手術だ。 

同じ疾患でも変形の程度によって手術のバリエーションが多く、骨の矯正方法や半月板の縫合など高度な技術を要する。医師の経験の差が顕著に表れる手法と言われているが、経験豊富な林医長はこの分野でも質の高い手術を提供している。

「膝や足関節の怪我や痛みを放置すると機能障害を引き起こす可能性もある。違和感を感じた場合は早く相談してほしい」と林医長。

 

足関節鏡下滑膜切除術の術前(上)と術後。痛みの原因となる余剰筋肉を切除し、腱の動きを滑らかにする
全国の病院で手術研修を行う。写真中央が林晴久医長